田中屋本店 ふるさとの味、越後の香り

越後名物笹だんご

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笹だんご物語

1.はじめに2.さてその由来は3.端午の節句と笹だんご4.笹だんごの作り方5.素材の話6.郷土料理としての笹だんご7.おわりに
ここでは、越後に古くから伝わる笹だんごの由緒やその特徴。そして食を通じた文化論など、笹だんごにまつわる様々なお話をご紹介します。笹だんごの知られざる魅力や興味深い話がいっぱいです。

3.端午の節句と笹だんご

 笹だんごは旧暦の端午の節句(5月5日)に無病息災を祈って食されてきたと云われていますがこの点について考えてみましょう。

 端午は月の端(はじめ)の午(うま)の日のことでしたが、次第に5月5日だけをさすようになり、中国では重五の日といって一年で最も邪悪な日と考えられました。また5月は悪月といい厄病が発生し始める季節にもあたり、古くから攘災の歳時が行われてきたようです。一方、日本では5月は田植えを前に慎む物忌の月でもあります。それゆえに香気の強いショウブ(菖蒲)やヨモギを軒端にさして災厄や邪気を祓い、同じ意味から笹巻きのお菓子が作られるようになりました。笹ちまきや笹だんごそして笹もちなどです。これらを包んだ茅や笹の葉はその旺盛な繁殖力から神霊が宿る植物、邪悪を祓う草と信じられ、それで巻いたものは災厄厄病を祓う食べ物とされてきました。また、笹の葉は防腐作用による殺菌効果があり、薬草にもなるヨモギは繊維質やビタミンなど各種栄養素を豊富に含み、バランスの取れた健康食品として作られてきたのです。そのような食品を端午の節句に食することで、邪気を祓いつつ健康を養う。まさに庶民がその生活の中で育んできたものといえるでしょう。そしてハレの日は田植えの後に最高潮を迎えます。

 農家にとって田植えは一大イベントです。現代では農作業の近代化が進み、5月の大型連休中に大半の工程を終われるようになってきましたが、かつては6月中旬まで手を煩わす大変な作業でありました。その田植えが落ち着いたとき、家にあるくず米を使って団子やおかきなど様々なお菓子を作ってきた人々。4月から5月に取りおいたヨモギと前年取って乾燥させておいた笹の葉を使って作る笹だんご。10個ずつ結わいて物干し竿に干して置く。子どもが大人の目を盗んで一つまた一つと食べる。その風景は何とも素朴でふるさとを感じさせるものではないでしょうか。

4.笹だんごの作り方

 笹だんごはヨモギ餅を笹で包んだだけの素朴なお菓子です。とはいえその中身は多彩です。現在市販されているものの中でも様々な製法が見受けられます。主な製法は大きく分けて下記の3通りです。

1 もち米の餅粉とうるち米の上新粉を一定量(7:3か6:4)混ぜたものに水分を加えながらこねます。これにヨモギと砂糖を加えさらにこねます。これでできた団子生地で餡を包み、できた団子をさらに笹で包んでイグサで結わえます。これを蒸して出来上がり。最も一般的で笹だんごの特性を活かす製法です。わが店はこの製法にこだわります。

2 上記の仕上げを蒸さずに煮る方法。団子の笹離れが良く笹も青々と仕上がります。ただし、煮る段階でヨモギの風味が逃げるのと、笹と団子の間に過渡に水分が残るので団子の劣化が早いようです。

3 団子を笹に包む前に蒸上げて、食べられる状態になったものを笹で包みます。笹ごと温めないので生笹を使用でき見た目に美しい笹だんごができます。ただし、熱処理をしない生笹を使用することで笹に特有のロープ菌など細菌の増殖が早く、結果として団子の劣化につながります。また、団子が硬くなった場合笹ごと温めると見た目にも無残に笹が縮れるので、団子が硬くならないよう酵素剤など硬化防止剤を添加したり、これを冷凍し解凍した段階で、そのまま柔らかく食べられるような商品も流通しています。

 笹だんごは上新粉ともち粉を混ぜて作ります。これは全国各地に伝わる郷土菓子としての団子があまたある中でも少数派であり、このことが笹だんごの「モチモチとして歯切れが良い」特性になっています。生産者はこれをより推し進めるため下記のような点で製造上の工夫があります。

○粉の粒子を変える。
○上新粉ともち粉の比率を変える
○粉に白玉粉や小麦粉を混ぜる
○ヨモギ・砂糖・水分の混ぜ方、生地をねかせる時間
○団子生地と餡の比率

 ヒモ(イグサ)のしばり方は、現在2種類見受けられます。タテしばりとヨコしばりです。タテしばりは、団子を笹で包んだ後イグサで両端を結び、中央は締めないで片端からつるして団子をタテにまとめていくしばり方です。しばりに使うヒモは、かつてはイグサでなくスゲを使っていたようです。これは、比較的短いヒモでもしばれる方法で、主に阿賀野川以北の下越地区でみることができます。ヨコしばりは、団子を俵型に笹で包みイグサで両端と中央をきっと結び、中央からぶら下げるので団子がヨコ向きにまとめられていきます。スゲに比べて丈の長いイグサが一般的に使用されていることもあり、現在は主流といえます。また、団子の中央を締めることで、中の団子が飛び出しにくいしばり方といえるでしょう。